推奴(チュノ)

2011年5月30日



男3人に旅芸人の娘一人が加わり
奴婢に落ちた男の復讐の火縄銃が
テギルを狙う。注目の第3話!

主役テギルも含め登場人物の多くは公儀ではない、もしくは外れてしまった者たち。つまり、視点が階級社会の底辺層にあります。「腐った世の中だ、ひっくり返ってしまえ」的な台詞が印象的。
題名どおり、奴婢(奴隷)制度の非人間性への批判の眼。そんな間違った世の無常さ、生き抜く厳しさ、人物の死に様が描かれてゆく。斬られればどんな人間でもあっさり死ぬもの、という緊張感を随所に感じます。

技術面で言うと、韓国ドラマ初の高性能カメラ「レッドアイ」を使って撮影され、映像が段違いで綺麗。

驚いたのは、重症障害者の人物を、それもかなり重要な役で登場させていることです。従来より韓国ではタブー視され、悪く言えば忌み嫌われていた領域に思い切って踏み込んでいます。
そして、そんな作品が視聴者に受け入れられ、高視聴率を記録。

ちなみに、俳優を含めた製作陣はドラマアウォードでの賞金約1600万ウォンを障害者施設に寄付し、後日その施設を訪問しています。素晴らしいですね。

テギルの推奴師匠チョン・ジホを演じたソン・ドンイルは2009年の助演賞に輝きました。
それから推奴師一行に紅一点で加わる女の子に扮したキム・ハウンもとても目立っています。この人、同じクァク・ジョンファン監督作品の「漢城別曲-正」に出演した方です。

タイトル
推奴(チュノ) Chuno/Slave Hunter
キャスト
イ・デギル(李大吉)・・・・・チャン・ヒョク

ソン・テハ(宋太河)・・・・・オ・ジホ

キム・ヘウォン(オンニョン)・・・・イ・ダヘ

オッポク・・・・・・・・コン・ヒョンジン

ファン・チョルン・・・イ・ジョンヒョク

チェ将軍・・・・・・・・ハン・ジョンス

ワンソン・・・・・・・・キム・ジソク

ソルファ ・・・・・・・・キム・ハウン

チョン・ジホ・・・・・・ソン・ドンイル

オ捕校・・・・・・・・・イ・ハンウィ

チャッキ・・・・・・・・アン・ギルガン

クァク・ハンソム(テハを裏切った右腕)・・・チョ・ジヌン

イ・グァンジェ(テハの忠実な左腕)・・・・・・チョ・ソンイル

イム・ヨンホ・・・イ・デロ

チョ・ソンビ・・・チェ・ドクムン

キム・ソンファン(クンノム:ヘウォンの兄)・・・チョ・ジェワン

ユンジ(冷酷な女刺客)・・・・・ユン・ジミン

チョボク(オッポクの同志)・・・ミン・ジア

ウォン・ギユン(詐欺師)・・・・ユン・ギウォン

イ・ギョンシク左議政(チョルンの舅)・・・キム・ウンス

パン・ファベク・・・・・・・・アン・ソクファン

馬医・・・・・・・・・・・・・・ユン・ムンシク

居酒屋女将・・・・・・・・・チョ・ミリョン

居酒屋若女将・・・・・・・ユン・ジュヒ

仁祖(朝鮮第16代王)・・・キム・ガプス

昭顯世子(仁祖の世子)・・・カン・ソンミン

鳳林大君(後の朝鮮17代王孝宗)・・・イ・イン

イ・ソッキョン(昭顯の息子)・・・キム・ジヌ

など・・
演出
クァク・ジョンファン
脚本
チョン・ソンイル
製作
2010年 韓国 KBS
上映時間
全24話
韓国初回放送期間
2010年1月6日〜3月25日
放送時間帯
水・木夜9時55分

1つ星2つ星3つ星4つ星5つ星 (まだ評価されていません)
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