ハムレット(1948 英)

2011年11月14日


最初の1時間はあっという間です。この上
なく美しい台詞の響き。あえて白黒で作り
上げたオリヴィエのこだわり。色彩がない分、
観る側の想像力を無限に掻き立てる。

最初の1時間、つまり亡き父親の亡霊にハムレットが出会うところまで、何時の間にか時間が経ってしまう、というのが私の経験です。
シェイクスピア劇が好きな方必見。
台詞の響きが非常に美しいので、英語の魅力を再発見する事でしょう。
英国人にとってシェイクスピアとは観るものと言うよりは聴くものであったというのもうなづける。私が心から英語を好きになったのも、シェイクスピア映画があったからに他ならない。
20世紀の代表的(私個人的には最高の!)英俳優オリヴィエ、何度も舞台で上演した計算された演技。この作品で、イギリス人にも関わらず、アメリカのアカデミー賞を獲得。彼は米国演劇人からのリスペクトも非常に高かった。

私が言うのも僭越ですが、この題材を、当時テクニカラー技術があったにも関わらず、あえて白黒で作り上げたオリヴィエの判断は、正解だったと思います。亡き父の亡霊の場面の寒々しさ、宮殿内の寂しげな雰囲気、絶壁や暗闇でのハムレットの独白など、とてもマッチしていて、色彩がない分、観る側の想像力を無限に掻き立てる。格調高き彫刻のよう。

タイトル
ハムレット Hamlet
the Players
・・・・・・・・・・・・・men at arms・・・・・・・・・・・・・
Francisco・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・John Laurie
Bernardo・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・Esmond Knight
Marcellus・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・Anthony Quayle
SeaCaptain・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・Niall MacGinnis
・・・・・・・・・・・the Play within the play・・・・・・・・・・・
First Player・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・Harcourt Williams
Player King・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・Patrick Troughton
Player Queen・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・Tony Tarver
・・・・・・・・・・・servants to the court・・・・・・・・・・・
Osric・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・Peter Cushing
Gravedigger・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・Stanley Holloway
Priest・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・Russell Thorndike
・・・・・・・・・・the royal court of Denmark・・・・・・・・・・
Claudius(the King)・・・・・・・・・・・・・・・・・Basil Sydney
Gertrude(the Queen)・・・・・・・・・・・・・・・・Eileen Herlie
Hamlet(Prince of Denmark)・・・・・・・・・・・・・Laurence Olivier
Horatio(his friend)・・・・・・・・・・・・・・・・Norman Wooland
Polonius(Lord Chamberlain)・・・・・・・・・・・・・Felix Aylmer
Laertes(his Son)・・・・・・・・・・・・・・・・・・Terence Morgan
Ophelia(and his Daughter)・・・・・・・・・・・・・Jean Simmons
監督
Laurence Olivier
製作
Laurence Olivier
脚本
Laurence Olivier
原作
William Shakespeare
音楽
William Walton
製作
1948年 英国
上映時間
155分
英国初回公開日時
1948年5月4日
リリース
参照リンク
Wikipedia(英語)
おまけ・・・
ここでも、美しい台詞を原文にて記載いたします。
有名すぎる独白も含め、2つの場面から。
・冒頭、及びハムレットが父親の亡霊に再会する直前の長い台詞
So oft it chances in particular men ,that through some vicious mole of nature in them .By the o’ergrowth of some complexion oft breaking down the pale and forts of reason .or by some habit grown too much .that these men carrying ,I say ,the stamp of one defect ,their virtues else ,be they as pure as grace ,shall in the general censure take corruption from that particular fault .

・有名な「to be or not to be・・、生か死か・・」の場面
To be or not to be ,that is the question .
Whether ‘tis nobler in the mind to suffer the sling and arrows of outrageous fortune ,or to take arms against the sea of troubles ,and by opposing end them .
To die ,to sleep ,no more .and by a sleep ,to say we end the heartache and the thousand natural shocks that flesh is heir to .’tis a consummation devoutly to be wished ,to die ,to sleep ,to sleep .
Perchance to dream .aye there’s a rub . for in that sleep of death what dreams may come when we have shuffled off this mortal coil must give us pause .There is a respect that makes calamity of so long life .For who would bear the whips and scorns of time ,the oppressor’s wrong ,the proud man’s contumely ,the pangs of despised love ,the low’s delays ,the insolence of office ,and the spurns that patient merit of the unworthy takes ,when he himself might his quietus make with a bear bodkin .Who would fardels bear to grant and sweat under the weary life ,but that the dread of something after death ,the undiscovered country from whose born no traveler returns ,puzzles the will ,and makes us rather bear those ills we have ,than fly to others that we know not of .
Thus conscience doth make cowards of us all .and thus the native hue of resolution is sickly o’er with the pale cast of thought .and enterprises of great pitch and moment ,with this regard ,their currents turn ally ,and lose the name of action .

一流の芸術は、それが概念や事象で終わらず、一つの自然な流れとして存在してしまいます。
上記の台詞は両方とも、なくても物語に支障はありません、でも色々な意味に取れる、深みを与えている、受け手に委ねられている。しかしストーリーはしっかり進んでゆく。

まさに音楽のような構成のシェイクスピア作品、特に四大悲劇あたりになると顕著です。遊び心豊かで奥深い台詞が、想像力の自由な翼に乗って駆ける。

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