間違いなく一時代を築いた暴れん坊将軍シリーズ。
パートⅠにあたる吉宗評判記から800回記念まで、25年にわたり放送、その後も舞台では続けられ、2011年には劇場映画にて仮面ライダーと競演(!)までしています。
皆さんに永く愛されている国民的作品ですね。
- 超お勧めの回
- それでは、以下は私が勝手ながら、全シリーズを通して観た上で、
その中のベストエピソードを厳選し、ご紹介。
全く、「私の好み」で選んでおります、あくまでも参考程度に。
でも、何度も観た上で魅了される回です、自信を持っておすすめいたす所存・・。
(膨大な話数ですので、厳選のうえ、これだと思う回に出会い次第、随時更新いたします)
(話数は特別編を含んでいます。時代劇チャンネルは特別編を除く話数の為、ずれがあります)
春の宴に舞う女(Ⅲ、第14話)
しっかり女房、降参する(Ⅵ、第22話)
女賞金稼ぎ 子連れ旅!(Ⅳ、第42話)
密命! 江戸城を砲撃せよ!!(Ⅲ、第126話)
危うし! 吉宗、妖刀村正騒動(Ⅳ、第68話)
姉とおとうと(Ⅵ、第28話)
大奥の殺人者!(Ⅳ、第60話)
涙を捨てたおんな坂(Ⅲ、第111話)
悪をあばいた潮騒の娘(Ⅴ、第24話)
ちゃんを返して、将軍様!(Ⅱ、第146話)
夜空燃ゆ! 呪いのほうき星(Ⅱ、第131話)
捨て子の父は辰五郎!?(Ⅱ、第142話)
天晴れ! 赤穂の竹光夫婦(Ⅱ、第159話)
俺がまことの吉宗だ!(Ⅱ、第188話)
Ⅲ、第14話、春の宴に舞う女
風花が悪いんですよ。そうしとこう。そうですね。
悪い奴らがばったばったと成敗される事件が次々発生、が、それでは、天下のご定法が。
時代劇チャンネルでの「風」を観て、私すっかりファンになってしまいました、土田早苗さんの登場。
素敵!腹の据わった物言い、漂う気品と風格、安心して見ていられる素敵さ。まさに風のかがりさん。
そして、軸のぶれない立ち回り。武術を学んでいる私には解る、この難しさ。
お母様から、そして新さんからも言われます、「君に修羅の道は似合わない」、闇の賞金稼ぎ・・。
終盤で、吉宗が鉄砲隊にさらされるのは、許されない、あってはならない場面。遅いぞお庭番!
そこはぐっと我慢して、お蘭の、決断と活躍に、拍手を贈りたい。土田さん出演の中で最高の回です。
Ⅵ、第22話、しっかり女房、降参する
面白い!
夜叉面お銀と全然違う、芦川さんのしっかり、ちゃっかり、肝っ玉の据わった女房っぷりを見よう!
のみならず厚みのある配役陣。一線級(つまり主役ですね)の役から(良い意味で)目線をそらす役が沢山あればあるほど、劇は面白くなる、例え部分的な登場でも、ここでは五平お冬夫婦です。そして勿論、見事な一線級あってこそ、芦川さんと江藤さん、深みのある悪役備後守の穂積さんたちに拍手。
冒頭耳にする五平という名、話の鍵になってきます、覚えておきましょう。
実に40分、あっという間の面白さ!
Ⅳ、第42話、女賞金稼ぎ 子連れ旅!
何だか怪しいところで手作業に励む人達、何を作っているかというと・・
ご法度の品で暴利をむさぼる悪代官。いつの世にもありますね、人の心を蝕む商売。
さあさあ、歯切れの良い博多弁が心地よい、夜叉面のお銀、芦川よしみさんの登場ばい!
男勝りの役にして品位を崩さず茶目っ気十分。今回は子連れ旅の途中、実の子ではありません。とある経緯でこの子に憎まれながら。お銀の話の中で、最も好きです、これ。溢れる優しさ。
芦川さんが主役なのは言うまでもないのですが、他にも主役級の活躍の方々がたくさん。
そして、終わり方が(詳しくは言いません・・)、良いんです!
Ⅲ、第126話、密命! 江戸城を砲撃せよ!!
展開が小気味良く、俳優陣も強力、話も強力。
回想場面で、新さんを囲む無頼の一味、なぜか一人が鉄砲を所持、理由は段々わかります、なにせ悪者さんたちは、物語後半では「強力な武器」を手に入れるのですから。これは最大級の悪だ!裏には・・尾張。
序盤は将軍自らのおとり捜査、ひやひやものですね。
私が思う、このシリーズに最もフィットしヒットした女優さん、それが芦川よしみさん!舞台版でも松平健さんと何度も共演してますね。Ⅳ以降に、夜叉面のお銀として常連キャラにも定着します。そういえばleccaに似てる!大好きです。
もうお一人、常連キャラといえば栗塚旭さん、山田朝右衛門、この回は特に素敵!
Ⅳ、第68話、危うし! 吉宗、妖刀村正騒動
いきなり、題字が、赤い!
村正が盗まれた。徳川に仇為すと言われるこの妖刀。伊賀者の仕業か?
大武術試合、吉宗暗殺の為に腕の立つ浪人を集める目的で開かれた、いわゆる天下一武道会みたいな大会が開催!気持ちの良いもののふどうしの腕試し、すがすがしい!
弟を応援するお姉さん、いいですね!
その裏で、刀の葵の御紋と、仕掛けたその細工。悪を炙り出せ。この精妙な話の作り!
弟を想うお姉さんに未來貴子さん、弟はⅥでお庭番を演じる若松俊秀さん。悪の元締め穂積さんの重みのある演技。悪の一味もめちゃめちゃ重厚な布陣。これは贅沢、必見の面白さ!
Ⅵ、第28話、姉とおとうと
未來貴子さん渾身の名演。弟役の中村さんと共に、心に響くまっすぐさ。
生き別れになった弟を、姉を、思う気持ち。弟の出世を喜ぶ場面には涙が出てきます。
そんな愛情を逆手に取り利用する悪党一味。
弟の出世を見届けずに死んでも良いのか!気を確かに持て!
姉と弟の命、この吉宗が預かった。
彼氏の神崎は間抜け(失礼・・)にしか思えないが、そんなこと忘れてしまうくらいの筋の良さ。素晴らしい!
Ⅳ、第60話、大奥の殺人者!
内密に取り計らうことができないわけでもない。恐い台詞です、仕組まれた、巧妙な罠。
大奥を扱った話はシリーズ中に幾つかありますが、私にとって、最も印象的な回。
冒頭いきなりの暗殺場面からどんな展開になるのかと思っていたら・・。話は将軍のプライベートエリア、大奥へと繋がってゆく。潜入する茜さん、徐々に明らかになってくる大奥の内幕。
なんと言っても光っているのは、その大奥をとりまとめる滝乃役の鈴鹿景子さん、観るものを引き込む引き締まった演技。見事な悪女ぶり、明らかな主役。堂々としたお芝居を、ご覧あれ!
俳優さん個々の演技を引き出し、現実味のある話の組立て、荒井監督の持ち味です。
Ⅲ、第111話、涙を捨てたおんな坂
凛として、理路整然。強く生きる女性に扮する山本みどりさん、理知的で、かつ艶(あで)やかな演じぶり。・・商いの道で生き、そろそろ女性に戻りたい、恋に生きたい。その相手は・・
彼女に思いを寄せる実直な生真面目な代官、彼が、嫉妬に駆られ次第に悪の道へ。その裏にいるのが真の確信犯、権力を狙い吉宗を消さんとする。ただの善悪の構図じゃない、説得力あります。
そして、画面の絵の作り方も凄く美しい。中盤の茶室の場面、綺麗ですよ!
ラストで知る、上様の真の姿。このパターンは最高の王道ですね。
どんなときも自分を見失ってはいけない。勇気をもらえる!
Ⅴ、第24話、悪をあばいた潮騒の娘
筆頭家老にして岡崎藩主の水野和泉守、家康公由来のご神刀を盗まれるところから物語は始まる。
テンポよく進む組立て、ほのぼのとした場面も織り交ぜ、話の根幹はとてもシリアス。説得力十分。
鯵(あじ)のたたきが美味しそう!亡きおっかさんの味。
紡がれる親子の物語を軸に、心に染み渡る演技をご堪能下さい!ヒロイン役有村つぐみさんの素朴にしてリアルな演技が印象に残り、そして重要な藩主水野役の大出さんが誠実で泣かせてくれる。
そして映像、美しい映像作りといえば松尾さんです!後半の夕焼けの中の場面、終盤の水中の戦い、見事!
Ⅱ、第146話、ちゃんを返して、将軍様!
パートⅡ屈指のベストエピソード。
博打依存の欲に目がくらんだ人、さらに上の悪者、
悪の中にも悪がいて、三重、四重の構造、この厚み。
尾張がらみなので悪のレベルは最上級。
ほのかな恋心と、密かに真実を知る瞬間。
主演の片山由香さんの演技と輝き。終盤で何気なく彼女を助けるさぎりさんがまた最高に素敵
名場面の目白押しです。
Ⅱ、第131話、夜空燃ゆ! 呪いのほうき星
大切なものを奪われた無念を晴らそうとする夫婦の絆の強さ。演ずる綿引さんと衣通さん、支えあう姿、とにかく素敵。
そして終盤の計略、ひと芝居、爽快です!大岡さまがなにげに活躍!
非常に脚本の優れた回。冒頭の彗星のエピソードはあくまでも飾り、話の中心は、別にあります。
そして・・、「天網恢恢、疎にして漏らさず」、終盤の吉宗の台詞、もう、しびれました!
これは老子の言葉。自然の摂理にかなったものは、隙だらけ穴だらけのようでいて実は何も漏らさないほどしなやかで綿密である、という素敵な言葉!
Ⅱ、第142話、捨て子の父は辰五郎!?
親が子を思う気持ち、子を持てない妻の苦しみ、両者が心通じる瞬間。三浦リカさんと工藤明子さん。
様々な人物の気持ちが深く伝わってくる、名作。
焼け野のきぎす、親が子を身を呈して守ること。
中盤ながら、お庭番による救出場面、新さんとめ組の立ち回り場面の良さ。
題名は、フェイクです・・父が辰五郎かどうかはポイントにあらず。
ここで重要なのは、背後にある人間模様、なんです。
Ⅱ、第159話、天晴れ! 赤穂の竹光夫婦
討ち入りから二十年、皆が赤穂浪士談義に花を咲かせる。登場した先生は実は・・。
高潔なお目付け役の勇気ある独自調査、不正を働く勘定奉行、さあどうなる?
不戦の誓い、これはその人が決めた生き方、しかしそれで失うものが、間違いなくある。瀬戸際に立たされた刹那の苦渋の決断。夫婦ふたりの支えあう姿、いいですね!
人の生き様を感じる、真直ぐな、そして深い話です。
Ⅱ、第188話、俺がまことの吉宗だ!
風が強く吹く江戸、櫓で鐘を打ち鳴らす、この娘は何者?わくわくさせる出だしです。
新さんが吉宗のふりをすると言う、逆転の発想。まるで上様じゃ、なんて・・
場面場面のつなぎが素晴らしくテンポが抜群、俳優陣も最高、話として物凄く面白い・・のみならず・・
・・終盤に注目の立ち回り場面が・・脅威のワンカット(つまり、撮りっぱなしのことです)。後にも先にも、私の知る限り、シリーズ中ただ一度です。最初に観たとき、見とれてしまいました。全くカメラの切替なし、まるで舞台を見ているような、本当に圧巻です。
(今後も、これだと思う回に出会い次第、随時更新いたします)
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